人間と茶は一緒。
食べ物がその人をつくり、土が茶をつくる。
一年間、茶と土と付き合うことで安心で健康的なお茶を。
人間とお茶は一緒で、基本的に人体は食べたもので作りあげられ、お茶も土から得た栄養でお茶の味や品質は決まっていきます。土づくりがもっとも重要で、栄養素的な肥料の選択をすることと、物理的な機械などが入るので、土が硬くなってしまう。それを柔らかくしてあげる作業が重要です。
肥料をあげた時に、より吸収するような環境ずくりとしてPH調整。お茶は、酸性を好むので酸性の方に寄せます。一般的には石灰などを入れることで調整しますが、副島園では10年くらい、もう石灰は使っておらず、勲炭(くんたん)と呼ばれる、籾殻を炭にしたものを使用しています。重要な肥料は3月(春肥)と9月(秋肥)の肥料です。その前にPH調整を行うために、燻炭を使用しています。普通はPh調整を行ったあとに肥料を入れるのですが、炭は炭の中に空間が空いていて、副島園が使うぼかし肥料は好気醗酵(酸素を必要として醗酵する肥料)なため、この燻炭とぼかし肥料を一緒にいれたら、炭の間にある酸素によって、ぼかし肥料が醗酵します。少し専門的でわかりにくいですが、このようなノウハウは、副島園独自の試行錯誤による発見です。一つ一つの選択をしっかり行なっていくことがとても重要であり、それが最終的に安全で美味しいお茶を作り出すのです。
一年間の作業工程
副島園においては、収穫前、かぶせるタイミングは茶葉の新芽が2葉の時、1週間から10日くらい寒冷紗をかぶせます。それをかぶせ茶と言います。1番茶の時期は2週間くらいで一気に摘み取ります。天候や、茶葉の様子を見極め、適期適採を行う。摘期を見極めることが、それぞれの農家のノウハウになります。若い芽の素晴らしく良い状態で採ろうという農家もいれば、もうちょっと伸ばして収量を確保しようという農家もいます。茶葉が大きくなればなるほど大ぶりの味にはなるが、収量がとれます。普通栽培している茶農家はその畑からどれだけ採れるのかという面積あたりの収穫の量を重視する傾向にあるりますが、副島園は、品質を第一に考えながら芽の伸ばし具合を見極め茶葉の収穫を行なっています。
お茶の金額の差は、このあたりの微妙な調整が行われており、例えば一番高い玉翠は、若い芽の状態で葉っぱを伸ばしきらずに摘むので、とても甘味も強く、色も綺麗で美しいお茶に仕上がります。さらに玉翠は、作る畑も限定しながら作っています。朝露は甘みと香りと色のバランスを考慮しながら製茶を行います。この甘み、色、香り、コク(風味)、見た目などの副島園独自の評価軸をつくりながらお茶のランクを決定しています。