無農薬・減農薬は虫との付き合い方
人と虫たちが、共存することでが重要である。
嬉野の山中だからこそできる無農薬と減農薬
茶畑の面積は3ヘクタール(1ヘクタールが100m×100m)の畑があり、大きく分けると2箇所の農園に別れています。1つめは自宅周辺200Mの標高の畑、2つめは高冷地(無農薬)標高400〜500Mの畑があります。仁さんが就農した時点では全部で畑が4ヘクタールあったのですが、直売に切り替えていくと同時に、面積は減らしながら、丁寧に管理できる体制、また高冷地の畑を増やしました。なぜ高冷地を増やしたかというと、標高が上がるにつれて、虫の発生量が減るからです。虫と共存しながら、茶業をやっていくのが無農薬・減農薬との付き合い方なのです。
1.無農薬・無化学肥料栽培いついて
副島園では、標高が400m〜500mの畑で無農薬・無化学肥料栽培を行なっています。標高が100m上がる毎に気温が約0.5度変わると言われています。気温が下がれば下がるほど、生息する虫の数は減っていき、無農薬に近い形で栽培できます。肥料は化学肥料の代わりにぼかし肥料(醗酵した肥料のこと)を、虫がまったく発生しないということはありませんので、重要な時期は忌避剤(きびざい)と呼ばれる虫を殺すのではなく、臭いで嫌がらせとうざけるという選択をしています。虫を殺しても耐性が高まり、強い虫になったりしますし、虫と共存しながら、無農薬・無化学肥料栽培を行なっています。忌避剤の材料に関しては、竹酸液に唐辛子やにんにくを漬け込んだもの、または、自家栽培したレモングラスを使った抽出液などを使用しています。また、除草剤なども一切使っていません。草取りなど地道な管理が重要です。隣接する普通栽培との畑が近い場合に関しては、防風ネットを設置して、農薬の飛散を防止しています。低地の畑と、高冷地の畑は、面積は同じくらいなのですが、収量は低地に比べると収穫量は少くなります。虫と共存することで美味しい無農薬のお茶ができるのです。
2.減農薬減化学肥料栽培について
標高約200Mの自宅周辺での畑に関しては、減農薬・減化学肥料栽培を行なっています。減農薬に関しては、農薬基準は各県ごとに農薬規定があるのですが、その3分の1の量を散布しています。しかし、茶葉の生育状況を見ながら散布するかどうかを決めていて、虫の状況や茶葉の状況で散布する必要がなければやりません。さらに、新芽の時期に農薬散布することはなく、収穫の9ヶ月ほど前に状況を見ながら散布しているという状況です。また、化学肥料も普通栽培の規定で定められた55kg/10haの半分しか使用しておらず、代わりに有機ぼかし肥料を与えています。
○肥料について
20年近くぼかし肥料という、米ぬかや魚カスを粉に菌(EM菌(嫌気醗酵)、島本酵素(好気醗酵)など)を入れて、醗酵したものを畑にあげるというやり方を行なっていた。それはそれで化学肥料でもないし、良い肥料ではあるのだが、魚カスの種類や米ぬかの種類までこだわることはできませんでした。その時期時期によって、品質のブレがあったので、この数年で肥料を変える実験を行なっており、静岡でイカの内臓をベースにつかったぼかし肥料をやっている方(アクティ)と出会いそこのものを使っている。